30代半ばから徐々に増えてきた白髪。
白髪を見つけたら毛抜きで抜く、見つけたら抜くを繰り返していた。
私の中では、この頃の白髪は一種のイベントみたいなものだった。
私もいろいろと苦労してるんだわ〜
そんなことを言いながら、黒髪の中にひょっこり出てくる白髪探しを楽しんでいた節もあった。
ところが、そんな悠長なことを言ってるうちに一本、また一本…
徐々に白髪が目立つようになってきた。
そして「抜いて証拠隠滅作戦」では追っつかなくなってきた。
でも、この段階ではヘアカラーはオシャレ染めの方で十分間に合ってた。
それがだ!
いつの頃からか、気付けばどんどん白髪が増え続けていった。
そして、とうとうヘアカラーもオシャレじゃなくなり、ガチの白髪染めに変わってしまった…
まぁ、母親も白髪が多いからそれなりには覚悟をしていた。
そんな母の口癖ときたら、こうだ。
「うちは白髪家系だし私なんてそりゃもう若い頃から白髪がたくさんあったわよ!」
「そんなの白髪のうちに入らないし私があんた位の年頃にはもっと、白髪がいっぱいあったわ!」
そこを張り合われても、ねぇ…!?
そもそも、あなたからの遺伝で要らぬ苦労とお金が掛かっているのだから。
でも髪の毛の白髪は染めれば何とでもなる。
しかしある日、そんな白髪にまつわるゾッとする出来事が起こったのだ。
恐怖ってものは音も立てずにソロリソロリと忍び寄ってくる。
そう、加齢という名の恐怖が私にも静かに訪れたのだ…
ある日、トイレで用を足しながら何気に股の辺りを見ると白く光る物が視界に入る。
アンダーヘアの中、白いモノが見えた気がしたのだ。
ん!?トイレの電気の加減で白く反射したのかしら?
その時はそんな風に思ってた。
その時はね…
その日の晩、入浴中に昼間の出来事をふと思い出す。
あの白く光るものは何だったんだろ?
気になったが最後
アンダーヘアの中を掻き分け探ると、奥の方に埋もれてチラリと白いモノが顔を出す。
えっ、えっ!?
うっそ〜ん、これって白髪じゃね?
その時の衝撃と言ったら忘れられない。
もうね、風呂場の中で一瞬にして時が止まったから…
そこからの私ときたら探す、探す。
これでもかってくらい白髪を探し求めてアンダーヘアを掻き分けたわ!
したら2、3本白く輝きを放つものが(汗)
いつかはそんな日が訪れるとは思ってはいたものの、まだまだ先の話だと思ってた。
何でもないようなことが幸せだったと、改めて気づく。
あの頃は子供で深くは理解できてなかったけど今ようやく分かった気がする。
哀愁漂うハーモニカの音色とジョージの歌声が風呂場でこだまする。
何でもない日には、2度とは戻れない夜になってしまったのだ。
しばらくは茫然自失だったけど、我に返る。
2本、3本とあったってことは、まだまだあるってことよね…
それからというもの入浴タイムの日課として白髪探しも加わった。
そりゃ、もちろんネットでもいろいろ調べたわ。
アンダーヘアの白髪は言わずもがな加齢に尽きる。
なんでも加齢によるメラニン色素の産生低下だそうで、そうなると自然の流れには逆らえない。
40代以降から少しずつで始めるらしい。
ふむふむ…ってことは、みんな口には出さないけど密かに生えてるんじゃないの?
アンダーヘアの白髪を育ってるのって私だけじゃないよね??
「アンダーヘア 白髪」で検索するとサジェストでいろいろと候補が出てくる。
その中に「アンダーヘア 白髪 スピリチュアル」ってのが出てきたので気になり覗いてみると衝撃!
白髪ってのは心身の状態を表すんだって。
だからアンダーヘアに白髪が生えている時はマイナスなエネルギーが増加している可能性が高いってさ!
えっ!?まじで…
まさに今の私は負のエネルギーが増加している。
てか、負のエネルギーしかございません。
そのほか新たなステージへ…とかって書かれてるのもある。
まぁ良くも悪くも新たなステージに突入しちゃった訳ですよ、私。
加齢という名の…
一度目の新たなステージは老眼を突き付けられた時だった。
あの時は半信半疑のまま新たなステージへ片足を突っ込んだ感じが否めなかった。
老眼について周りの同年代の人たちに老眼リサーチをしたら、みんな同じような境遇に居たので少しホッとした。
100均の老眼鏡の世話になったり、コンタクトレンズが密かに遠近両用だったり。
2024年…
また新たなステージの扉が開かれたと思ったら、今度はアンダーヘアの白髪ときた!
同じ白髪話でも、アンダーヘアの白髪となると正直、友人との会話でもあまり出てこない。
他人事ならいざ知らず、自分のこととなると何となく話題にしにくくもある。
どことなく老眼の時とは違い、デリケートな雰囲気を醸し出すアンダーヘアの白髪。
あと数年経てば、サラリと話題に出せそうな気はするのだけど今はまだ無理っていう、ね…。
そんな感じで私みたく、世の中には一人ヤキモキしながら過ごしている人もいるだろう。
そんな人たちに声を大にして言いたい。
大丈夫ですよ、私にも白髪、生えてますから!!って。
これから先、未知なる加齢との遭遇が待っていると思うと怖くもあるが、興味深くもある。
この先、70代くらいになった時に「歳を取るのもそう悪くはないわ」って言える余裕を持っていたいものだ。
それはそうと、見つけると抜きたくなるのが人間の性。(私だけかしら!?)
入浴時に白く光るモノを発見したら、掻き分け抜く…掻き分け抜くを繰り返す。
白いモノを抜いたつもりが黒いものだったりと、成功率は6割に満たないけれど…
老後の頃を考えて、脱毛のことを本気で考えてみようかしら!?
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