パニック障害3 〜パニック障害と死にたくない病〜

パニック障害

ワタシは死に対する恐怖心が人一倍強いように思う。
幼い頃から「死」というものに漠然と恐れを抱いていました。

幼い頃に祖母や祖父が亡くなった時、今までの楽しかった思い出や、もう会うことが出来ないという哀しみを感じると同時に得体の知れない恐怖に襲われたものです。
ほんの数分前まで心臓が動いていて呼吸をしていたのに…
よく言う三途の川を渡る時に感情があるのかもしれないし、死ぬ前の走馬灯のようにいろいろなことが蘇ると言われている時や亡くなる数秒前にも何がしらのしっかりした意識や感情があったりするのかもしれない。
でも、命が途切れた瞬間にフッとその感情が無くなるんだろうか…とか思いだすと、自分の意思でどうすることも出来ない時がくるのが怖くて仕方がなかったのです。

でも、そんな感情は子どものころ特有のものだと、大人になったら「死」というものを普通に受け止められるものだと思っていました。

しかし20代の頃、ある日突然パニック障害に罹ってしまったのです。
それは今まで生きてきた中で一番「死」というものを意識し考えた時でもありました。
パニック発作に襲わてる最中「ワタシ、このまま死んでしまう!?」って毎回思ってしまうのです。
100回パニック発作に襲わようとも毎回、毎回、死への恐怖を拭い去れないのですよね。
これは一種の修行なのか?はたまた拷問なのか??ってなもんです。

もちろん普通に楽しい時間も過ごしているし、馬鹿笑いだってする。
いつもいつも死に対しての恐怖心を抱いている訳じゃない。
パニック発作が治れば冷静さを取り戻すので、発作の間は恐怖や危険信号が脳内で誤作動を起こしてるってことも重々承知なのです。
でも、再びパニック発作に襲われると「ヤバい、ワタシ死んじゃうんじゃないの?」って慌てふためくのです。
頭の片隅では死なないって分かってはいるのですが、迫り来る死への恐怖と危険の方が上回るので脳内が恐ろしいほど死への恐怖でいっぱいになるのです。



そしてある時、ワタシは気づきました。
「ワタシ、パニック障害っていう名の死にたくない病・・・・・・・に罹ってしまったんだわ…」
パニック発作の最中、100%死にたくない!って気持ちの方が強かったですもん。
だって死ぬかも知れないっていう恐怖を感じながらも、
こんなことなら部屋の掃除をキッチリしておくべきだったとか
レンタルのCD返すの忘れてた…このまま誰も返してくれなけれ延滞料ってどうなるのだろう?とか
挙げ句の果てにはコンビニで買ったプリン食べておくべきだったなんて考えてることを自体、「生」への執着がハンパないってことですしね…

パニック障害にならなければ、多分気づかなかったと思うのですがワタシは自分が思う以上に「生きる」ってことに関して意外と貪欲なのかもしれません。
それは今だってそうです。

仕事も微妙だしイヤでイヤでたまらんし!
40過ぎて、なんもないしなぁ。
さして楽しいこともないし、あんまり長生きもしたくないなぁ…
長生きし過ぎて孤独死とかも嫌だしなぁ…
てかワタシ、こんなんで生きてる意味あるのかなぁ?
なんて思うことも正直あります。

でも、矛盾しているようですが死にたくないのですよね…
仕事がイヤなら最終、辞めたらいいや!
さして楽しいことがなけりゃ無理して楽しむ必要もないやなんて思ってみたり
孤独死はイヤだけど、不摂生なのでそこまで長生き出来ないはずだしとか
結局のところ一番大きい部分が、生きてる意味はあまりないかも知れない、かと言って死ぬ意味もあまりない気がするってところなのかもしれない。

てか、死ぬの怖いし!

今年はコロナのせいで例年とは何かが違う。
っていうより世の中が変わってしまったのかもしれない。
この先も変わりなく日本中に笑いをたくさん届けてくれると思ってた志村けんさんがコロナで亡くなられたり、いつも元気でハツラツなイメージだった岡江久美子さんが亡くなられたりとあまりにも悲しく衝撃的な出来事が心にダメージを与えていく。
そして、夏以降もいろんな悲しい知らせを耳にするたび、心の底の方から何とも言えない哀しみや、やるせない感情が湧き上がり胸がザワつくのですよね…
なにか大切なものが一つずつ失われていく感じで虚無感に襲われる。

キラキラとして才能溢れる人たちにも、ワタシのようにショボい人生を送っている者にとっても同様に悩みや不安はあるのですよね…ましてや、こんな不安定な世の中だから。
一寸先は闇。気持ちに気合いを入れて毎日を生きる。
こんなに、死にたくない病なワタシですが何が起きるかわからない。
でも、あのパニック発作の恐怖を思うと、例え仕事が嫌でも楽しくない毎日でもボチボチ健康でほどほどに生きていけるだけでも幸せなのかもと思える今日この頃です。
何事もほどほどに頑張り過ぎずにが良いのかもしれませんね。


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