電話恐怖症は甘えなのか?

日々の暮らし

世の中には電話が苦手な人って多いと思う。
かく言う私も苦手だし大嫌いです。

自分が分かってることに対して答える
自分が知りたいことを聞くために電話する
身勝手な話だけど、それならばまだマシ。
それでも百歩譲って感じだけど…

でも仕事の電話ってそう言う訳にはいかない。
容赦なく掛かってくるし、自分の意に反して掛けなくてはならないこともある。
未だに職場の電話が鳴るたびにドキっとするし身構えて緊張する。
弱ったもんだ…でも、情けないけどこれが現実。

そもそも何でこんなに身構えたり恐怖心があるのかっていうと明確な原因は分かってる。
昔、勤めていたところが電話応対に超が付くほどうるさかった…
言葉遣いひとつ取っても細かく、営業の電話対応の仕方についても逐一チェックが入る。
どうせ誰が出ても断るくせに、どこの会社のどんな要件で掛かってきたかを事細かに報告しなければならなかった。
右に倣えで全員が報告するもんだから、私だけ報告しないって訳にはいかない。
まぁ、その状況がそもそも馬鹿馬鹿しいんだけど…
そのくせ報告した後がこれまた酷いのだ!
こっちは電話中だってのに、後ろでは文句を言ったり大声で雑談に講じたりと騒々しい。
電話口の対応をそつなくこなしたとて、周りから漏れ聞こえてくる雑談の方が企業としての印象はよろしくないのでは?と思うのは私だけだろうか…
おまけに電話機も古く聞こえにくいときたもんだ。

電話が鳴り受話器を取ると、皆から皆から一斉に注目される。
元々、緊張しいなのに、そんな中で更に一斉に皆の視線を受けるとなると生き地獄だ。
プレッシャーに負けて数々の失態を繰り広げてしまうんではないかと不安が過ぎる。
そんな環境下にいると、どんどん電話対応がしんどく重荷になってくる。

失敗しませんように…
そつなくこなせますように…

取引先の電話からでも、とりあえず自分達の部署は関係ない程で話を進める。
でもね、それは会社の内情を熟知しているベテランだからできる術。
社内からの電話も出たくないものは新人に代わりに出させ、平気で居留守も使わせる。
何度もそんなことを繰り返させられると、間に入ってる人間が必然的にとばっちりを受ける。
苛立ちをぶち撒けられたり、怒られたり、能無し扱いされるんだから、たまったもんじゃない。
怒られても平気で居れるほど強いメンタルの持ち主ではないし、私だって傷付くっての。
全くもって理不尽な話だと思いつつ、グッと堪えながらその場をやり過ごす。
何にも教えてもらえず、右も左もわからない状態でひたすら電話に出続けた結果が現在に至るのだ。

そんなことが繰り返されるうちに、やがて電話が怖いものに…

そりゃ、新人が電話に出るのが当たり前なのはよく分かる。
電話対応の場数をこなすことにより、会社の仕事内容や取引先などが分かるだろうし仕事を覚えていく上で大事な仕事であるとは思う。
けれど会社のシステムやスタンスが分からない状態での電話対応は心が疲弊する。
諸先輩方からすれば私たちが若い頃は〜とか、甘えてんじゃないよってってなもんだろう。
しかし、その諸先輩方の感情に振り回された結果、電話に対する恐怖と嫌悪感だけが植え付けられてしまった場合はどうよ?
そんな環境に身を置いたら、そもそも自分に自信を持てないタイプの人間はどんどん萎縮していくはずだ。

そんな嫌な経験から電話対応は嫌で嫌で仕方がないという気持ちが先に立つのだ。
周りに誰か居ようものなら、上手く対応できず情けなくて居た堪れない気持ちになる。
必要以上に身構え緊張して、自分を追い込んで…一体何がしたいんだろう?
電話の着信にビクビクしないで済む日は来るのだろうか?

嫌って気持ちが先に立ち、不必要に構えるから悪循環に陥るのは自分でもよく分かってる。
恥ずかしく情けない限りだが、そんなことを繰り返し繰り返し今に至っている。
結果、いつまでたっても緊張するし挙動不審なのは変わらない…

40過ぎたおばさんでも、そんなことで落ち込んだり悩んだりしてるんだから、Z世代の子達が電話が苦手だっていうのは、私から見れば甘えでもなんでもなく正常な気がする。
だって物心ついた頃には当たり前のように携帯電話があったし、LINEで簡単に連絡もできる。
繋がりたい相手と確実に繋がることができるという状態が普通だったんだから…
それに今の時代、固定電話がない家だって多いだろう。

そもそも、いつから電話に苦手意識や恐怖心を抱くようになったんだろう?

10代、20代の頃は当たり前のように、電話を受けてたし、掛けてもいた。
年頃の頃なんて夜遅くまで何時間も友人と長電話もしてたもんだ。
当然、その時代は携帯電話なんてなかったから固定電話に掛ける

「〇〇さんのお宅ですか?△△ですけど、〇〇ちゃんおられますか?」

そりゃ、しっかりと敬語は使えてなかったけれど、何の気負いもなく普通に電話していた。
いつも電話口に出ないお父さんが出てきた時にはギョッとすることもあったけど、緊張なんてしてなかった。

それがいつからだろう?掛けることすら緊張するようになったのは?
自分の方が用事があって掛けるくせに…

各自で携帯を所持するようになり、メールやLINEなど便利なツールができた。
そしてプライベートのみならず仕事にも浸透し始めてからだろうか?

それも一因ではあるけれど、私の場合はそれだけではなさそうだ。
多分ね、さっきも言ったけど人がいる前で電話を掛けるって行為がそもそも苦手なんだと思う。

お前の話なんて誰も聞いてないし、注目してないって!

そう思われるかもしれないけど、とにかくその状況が苦痛なんです。
もうね被害妄想甚だしい感じですけど。
とにかくその状況下で電話をすることが無駄に緊張する。
それともう一つ言えるのが、電話口の話が理解できないってのもある。
目の前に人が居て、面と向かって話している時や自分の興味があることに関しては話が入ってくるけど、受話器越しになると恐ろしいほど相手の話が入ってこない。
まぁ、興味がないからってのもあるのですがどこか他人事のように感じてしまう…
そもそも受話器越しに聞こえてくる言葉が脳内で上手く処理できてないような気がする。
そんな状態で伝言を〜なんて言われても、上手く内容を伝えるなんて到底できやしない。
おまけに、そんなんだからメモもちゃんと取れてないし、誰かに説明するのもしどろもどろな状態に…
右から左へ見事に受け流してしまったムーディー勝山状態になり途方に暮れるだけだ。

失敗が続くと、ちゃんと対応をしなければ、ソツなくこなさなければ…
形にばかり拘り、囚われ過ぎて、気にし過ぎた結果、プレッシャーに負けて惨敗に終わる。
そんなことを繰り返し繰り返してきたから余計にテンパり、必要以上にキョドる。
そして落ち込みまくり、思考や脳内がバグり電話に対して無駄に警戒しまくる。

電話=怖いもの

自信のなさや不安感から来る電話ダメ人間なのか、はたまた何か隠れた問題があるのか…?
とりあえず現状だけでいうと私の脳内のワーキングメモリーはぶっ壊れてるってのは確かだと思われる。

だからZ世代の若者も安心してください。
世の中には、こんな情けないおばさんもいるんだと思うと少しは自信が持てるでしょ?

でもこんな情けないおばさんだからこそ、ひとつだけ言えることがある。
若いうちに克服しておいた方が良いかもよ〜
若いうちにいっぱい失敗しといた方が良いかもよ〜
歳を取ると、見栄やプライドが邪魔をして八方塞がりになるから

失敗=悪という意識に苛まれる時があるから…

21世紀になって24年も経つと言うのに未だに会社の電話は鳴り止まない。
そして今の時代だからこそ、自分の感情に身を任せて電話口で怒りをぶちまけてくる奴もいる。
言った言わないの押し問答になることもあるし…
メールやLINEなど形として残せる便利な世の中になったってのに、大事なことは未だに口頭で伝えて来る人が意外に多いのは何なんだろう…?

電話対応で上司や先輩にチクチク言われた時はクソがっ!って心の中で悪態吐きながら引きずらないように、おばさんは今日も頑張る。だからZ世代の若者も頑張って!!

てな訳で結論…何歳になっても、年齢なんて関係ない。苦手なものは苦手なのだ。

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