20代の前半、私はパニック障害になってしまった。
いやはや青天の霹靂って、まさにこういうことなんだろうな…
そもそも私が「なんもないな」な人間になってしまった最大の要因、パニック障害について…
近しい人に話すと、どうしても自分の情けなかったや悔しかった部分をへし折って話してしまう。
一番大変だった時でさえ何がどうで、どんなことがダメなんだってことも最小限のことだけを人に伝えていた。
それほど私にとってのパニック障害は、一言でいったら究極の挫折だったのです。
なので誰にもパニック障害だった自分について開けっぴろげに話せてない…
でも、いつかこの辛かった思い出を自分なりに昇華させて「なんもないな」な人間から「なんかあるな」な人間になりたいので、この辺りで楽しくなかったことも振り返って自分の人生を整理しようと思う。
多分、長くなると思うので小分けに綴っていきますが、お付き合いいただければ嬉しいな。
そいつは、ある日突然やってきた。
それまでの私は生きていることが楽しくて仕方がなかった。
プライベートと仕事、どちらも程よくバランスを取りながら充実した毎日を送っていた。
休日は彼氏や友人と遊びに行ったり、好きなアーティストのライブへ出掛けたりとアクティブに過ごす。
「こんなに楽しくて良いの?」ってくらいに、楽しくやり甲斐のある仕事にも巡りあえてた。
そんな忙しくも充実してた日々を過ごしてたある日、母から何気に聞いた話が引っかかってしまったようだ。
なんでも、母の同僚の娘さんが仕事中にド〜ンと尻餅を付いて後ろにひっくり返ったそうだ。
その一件以来、身体にいろいろと不調が出始めたらしく、どうも仕事に行けなくなったらしい…
仕事が大好きで良く出来る子だったのにどうしたもんだろうって内容だった。
軽い気持ち話を聞いていた私。
「ヘ〜、それは大変ねぇ。早く、その人も元気になるといいのにね…」
なんて言っていた。その一ヶ月後くらいに、まさか自分自身が坂道を転がり落ちる様に何も出来なくなるなんて、その時は夢にも思ってなかった。
初めに様子がおかしくなったのは仕事中だった。
しゃがんでて立ち上がった瞬間、凄い立ちくらみに襲われ慌ててしゃがみ直したのを覚えている。
そんな立ちくらみなんて良くあることでしょ?って言われそうだけど、その時の立ちくらみは何かが違った…
目の前がチカチカして変な汗がいっぱい出る。今まで味わったことのない感覚だった。
あの日以来、事ある毎にフワ〜ッと立ちくらみが起きる。そしてまた嫌な記憶が思い出される。
そんなことを繰り返していたある日、物凄く気分が悪くなり、とてつもない不安感に襲われ、このまま死んじゃうんじゃないかという恐怖に襲われた。
仕事中だった私は逃げ出すこともできず、必死に堪えた。
「もうダメ、もうダメ、もうダメ…。ワタシ、このまま死んでしまうかも?」
気を紛らわそうと何かしようとするも何も手につかない。だだただソワソワしながら死への恐怖と戦う。
しばらくすると、何も無かったようにスーーーッと恐怖感や不安感が波の様に引いて行った。
今までの気分の悪さと死への恐怖は何だった?って思うほど、一瞬にして正気に戻る。
その後は何事もなかった様に仕事へ戻ったけれど、頭の片隅では突如訪れた死への恐怖のことばかりを考えていた。
そんなことが仕事中に何度も起こり、通勤中の電車の中でも起こる様になった頃には自分自身の異変についていけず疲弊してきた。でも、どうしたらいいのかも分からないし病院も何科に行けばいいのか分からない。
ある日突然、私の元にパニック障害は忍び寄ってきたのだった。
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