転職して一番感じたこと。
「こんなことまでやってのける私たちってマジ凄くない!?」
「こんなことまで会社のためにしてあげてる私たちってマジで偉いよね!」
私、仕事できるんですよね感を妙に出してくる人がいる。
凄い、凄〜い!自信があるって良いことだ!!
「上司は全く使えないし、こんな状況の中でも完璧に仕事を捌き切ってる私たちって本当に凄いわよね〜!」
お見事〜、あっぱれですよ!
今後もその調子で頑張ってください!!
そして一番厄介なのが、そんな人たちに限って「〜ねば」「〜べき」ってのが会話の中でよく飛び交っている。
こうあるべきだとか、ねばならないっていう義務や責任であったり、自分たちの価値観や常識を押し付ける。
そう、他人に対して何とも押し付けがましい会話が多いのです。
何だろう?この違和感は…!?
側から見ると妙に痛々しく感じるのです。
そして、うっすらと過去の自分とリンクする。
彼女たちと同じ様なテンションだった自分の痛々しさドキッとして穴があったら入りたくなるのです。
そうでなんです。
過去の自分もきっと、あんな感じだったように思う。
慣れた職場で、慣れた仕事内容で、そして慣れた手順で作業を進める。
イレギュラーな出来事や、訳の分からない業務に遭遇したとて何一つ問題は無い。
少し知恵を絞れば何だって解決できる。
「私、失敗しませんから!」気分はドクターXの大門未知子。
だって、ワタシはできる女だから的な…笑
ただ、彼女たちと一つだけ被らない部分がある。
それは義務や責任、自分たちの価値観を押し付けるという部分。
ワタシの場合は自分で自分を「〜ねば」「〜べき」ってものに縛りつけて自爆していくタイプなのだ。
その部分に於いては彼女たちと違うと言うのがワタシの中で唯一の救いではあるのですがね…
話は戻るが、そんな時ってだいたい無意識のうちに気分は『俺様』になってる。
ワタシのお陰で滞りなく業務が行われている。
なんだって、ワタシのお陰…
仲の良い同僚とは良いことも悪いことも褒め合い慰め合う。
互いに傷を舐め合いながら、俺様街道まっしぐら!
職場という小さな世界でついつい陥りがちな勘違いだってことに、その時は気付いてないのです。
確かに少しはワタシの頑張りも入ってるであろうがそれは驕りである。
そして、そんな時は他人への優しさだって、どこか上から目線の優しさになってしまってるはずだ。
何かを人に教える時も簡単だから分かるだろうってのを前提に教えてしまうのだ。
『ワタシでも出来るのだから、あなたも当たり前のように出来るはず』
『誰にだってできるような簡単なことだから』
そして、後輩が失敗した時などは励ましの意味を込めて
「私だって出来るから大丈夫!慣れれば簡単だから…」
なんてよく口にしたものだ。
しかし、教えられる立場からすれば右も左も分からない。
簡単だから?一体、どの部分が簡単なのかすら分からない…
ワタシでも出来るのだから?そりゃ、毎日、毎日、何年も繰り返してたら簡単に出来ますよね??
てか、よく考えてみろ!
それだけ繰り返してたら簡単に出来ない方が寧ろ問題である。
なんでもそうなんだ。
きっちり説明しないと相手には伝わらないのに。
いつもと違った内容の仕事を上司から、おざなりな感じで説明されたとしたら?
キラキラな自分が発動している時なら跳ね返すことが出来るだろう。
「ワタシだから今の説明で分かったけれども、他の人ならきっと理解できてないんじゃないの?」
そんな風にブーブー文句を言うだろう。
そしてひとしきり文句を言い終えたあと、こんな状況でもそつなくこなすことが出来る自分って凄いんじゃない!?なんて思えてくる。
人にやられて戸惑ったことだって、自分がクリアできた瞬間に普通になってしまう。
そんな環境のなかで過ごしていると感覚が麻痺して当たり前じゃないことが当たり前となる。
自分が出来たのだから誰だってできるはず…
今度は自分自身が人に対しておざなりな説明で済ませようとするのだ。
そんなだから困ってる人に気づくことなんてできやしない。
そんな『俺様』になってしまってたワタシは転職した途端、今までと立場が逆転してしまった。
右も左も分からない状態に置かれると、的確な説明が必要だということが痛いほどよく分かった。
『私だって出来るから大丈夫!慣れれば簡単だから…』
その言葉は、励ましにはならない。
寧ろ、プレッシャー以外なにものでもない。
「簡単にできないワタシってどうなのさ??」
そんな不確かなものより、確かな説明をくださいな…
新しいことを覚えるのって簡単じゃないものですね。
少ない情報を寄せ集め考えてみたところで…
分からないものは、やっぱり分からないのだから。
今までしてきた傲慢な態度に無性に腹が立ち恥ずかしくなってくる。
ワタシ、完璧に思い上がってたわ…
反省したところで、今の状況が変わるわけではない。
でも鼻をへし折られたことは良い経験になったのかもしれない。
そもそも、もっと前に気付けよって感じなんだけど。
今度、人に教える立場になった時はしっかりと向き合おう。
大事な部分で怠慢になったらダメなんだ。
過去の自分を含め、キラキラな俺様キャラが発動中の人を見てて切に思う。
今は順風満帆でも、いつか苦しめられる時がやってくるから気を付けて!
一歩外の世界に出れば今ある自信はもろくも吹っ飛んだりするもんだよ。
凄いと思えることはまやかしで、小さな世界の中だけでしか通用しないかもよ…
それと、もうひとつ。
自分のものさしで測った価値観を人に押し付けたらダメですよ!
そんな小さなものさしで測った価値観なんてあんまり役には立ちませんよ…なんてね。
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